2012年1月28日土曜日

診療履歴

私は10年ほど前から思っていた。
年を経る毎に病気が増え、初診時の問診表に既往歴を書くのに一苦労する。
最近では診療科目の細分化やかかりつけ医、専門医とあちこちの診察券がまるでトランプのように増える一方だ。
しかも違う診療科で予診を受ける度に、同じ事を説明しなければいけない。

電子カルテの導入によって、一つの病院内で自分の病歴や通院歴を医者に見てもらえるのは良いが、お陰で医者は患者の顔よりもパソコンの画面ばかり見て、キーボード操作ばかりしている。

面倒なのは、病院が違うと何も共有していないため結局は手書きの問診表と説明。

診察券にICチップを入れて、一度打ち込んだ記録を国内どこの病院にかかってもみられるようにすれば、既往歴が一目瞭然で分かるようにすれば時間も患者の負担も医者の理解も節約できる。

問題はインフラ作りだが、全医療機関共通のドクターソフトを開発すれば良いだけだ。

今やクラウドの時代なのだから、病歴の一括管理が出来ない訳がない。

多分、個人情報を悪用してそのサーバーにアクセスされたら、医者の守秘義務が保てず、病院を語った詐欺が横行する危険があるから、踏み出せないのだろう。


しかし、小さい頃からの病歴が分かればそれこそ『総合診療』として、その人の経緯が探れるのではないだろうか。
中年も超えてくると、一桁の時に何があったのか覚えていなかったり、知らなかったり、年表を作るのも難しくなってくる。

大体、人間なんて40を超えて来たら何かしらの病気になって当たり前。
それが運よく老年期になるまで、これといった大病を患わなかったとしても、それから思い出すのも記憶力だけが頼りになってしまう。
その年になれば親も生きていたとしても記憶は曖昧だろうし、もしかすれば他界している可能性もある。


私のように子供の頃から、度々病気ばかりして未だに病気が増えて行くと、もうお手上げになる。



そう思いながらずっと来たが、今日テレビのコマーシャルで富士通がその診察券を開発してフィンランドで使用されているのを知った。



日本は遅れている!とつくづく思った。
「だから言ってたでしょ、診察券一枚と保険証一枚持って行けば良いようになればいいのに!何で誰も思いつかないの?って」


次は今まで溜まった診察券にバーコードを読み込むなり、そのIDを打ち込むなりすれば自分だけの医療専用カードが作れるようになる機械を作ることだ。
作成時にパスワードを患者が設定できるようにして、銀行やコンビニのカウンターと同じように使う時に患者がキー操作を医者の前でする仕組みにすればいい。
あくまで医療機関ではブラウジングするだけで、カルテに書き込んだ後は上書きの際に患者が同意のエンターを押すだけ。
患者はいつでもカルテを自分で見れるようになればいいのかもしれないが、情報操作を勝手に出来ないようにするにはカルテの書き込みをした医療機関のコード番号とパスワードがなければ見られないようにすればいいのではないだろうか。
細かいセキュリティーの構築は分からないが、必ず出来るはずだ。


何せ、住民登録番号を国が勝手に作って、日本全国共通で分かるようにしたのだから。
人間番号を作れたのだから。