2015年3月19日木曜日

子育てと自立と成長

昔から『子育ては親育て』と言われている。
子育てには心身共に大変な時期が、子供の成長と共に何度かある。
先ずは妊娠期間、そして出産、乳児期の育児から始まり、幼稚園や保育園と云った子ども自身が世間に初めて出ての人間関係へと移る。
その後、小学校入学が自立の第一歩が始まる。
右も左も分からない子どもと一緒に、親自身も入学準備や保護者会など社会として初めての経験をする。
中学卒業時には、子どもの希望と能力に合わせて進路を決めなければいけない。
高校へ進学すれば、また小学校入学と同じ手順に加えて、卒業後の進路も見据えて金銭的な備えややり繰りも考えなければならない。

ほとんどの場合、入学当初はまだ将来を決定するにも漠然と描くケースが多い。
例え大学進学なり専門学校なりの目標があったとしても、それが必ずしも叶うとは ”結果” が決まらない限り未定だ。

親はある程度の人生経験から、転ばぬ先の杖で何かと手も口も出したくなってしまう。
その入口を親任せにさせてしまう、してしまう親子は多い。
就職も進学も進む道の入り口までは、親が支度してやるのは良いだろう。
しかし、その支度の最中(奨学金申請など)から子ども自身にも書類を見せながら、説明し、分からなければ自分で調べさせ、親自身も分からないことや確認することを一緒にやるのは、とても大切なことだと思う。
何故なら、それは子ども自身が自立していく第一歩であり、管理するのも自分自身のことだからだ。

つい、『やらせるより自分でやった方が早くて確実』と思い、全部やってしまいたくなるのも親心だ。
でも、会社で部下を上手に育てるには、まず失敗をさせて、何が問題点だったのか考えさせて、解決策を自分で見出させる『口も手も出さない、任せる上司』だと言う。

任せると言うことは、失敗の後始末が何倍も面倒なのだが、部下の能力を引き出すことと、信じる信念がなければ難しい。
松下幸之助氏は、ほとんど具体的なことは教えず、問う人だったそうだ。
当然、部下は子供染みたようにあれこれ聞く訳には行かず何日も悩む。
そうして考えている内に応えを見つけ、成長していく。

大人でも親でも『あの時、ああしていれば良かった』と失敗し、今度は失敗しないように調べたり、問い合わせたりする場面はあるだろう。
誰だって後悔ほど味わいたくないものだ。
それを子育てにも取り入れたら、共に成長する。


いずれは独り立ちするのだからこそ、節目節目に不安の中、見守りながら、その子がどこまで自力で出来るのか、やらせてあげるのも愛情と親心ではないかと思う。
子どもは、いつでも『自分で出来た!』やれば出来るんだという達成感が好きだ。
自信が身に付くよう導いてやるには、親はぐっと堪えて見守ってやるのが仕事。
それでも、どうしても迷って困った時に、しっかり教えてあげる姿勢を伝えるには目を逸らさない真剣な親の態度だ。

”この世たった一人の味方” ”たった一人心許せる人” ”絶対に見捨てない人”
そんな信頼関係を生活の中で築くには、小さい頃からの親子関係の在り方なのだろう。


子どもが成長していく姿は、親にとってどれ程の喜びになるのか…
それを沢山経験して欲しいと思う。